研究活動

プロジェクト室の概要

系外惑星探査プロジェクト室

系外惑星探査プロジェクト室は、ハワイ島 マウナケア山頂のすばる望遠鏡に向けて開発された近赤外線高分散分光器(IRD)を用いてこれまでにない高精度赤外線視線速度観測を実現し、太陽より軽い、低温度星(M型矮星)周りの「第二の地球」の検出を目指した惑星探査に挑戦しています。また、すばる望遠鏡の超補償光学装置 SCExAOや面分光装置CHARISを用いて、地球大気の揺らぎの影響を極限まで抑制し、太陽系外惑星の直接撮像および中心星周りの星周円盤の直接観測を行なっています。この観測(高コントラスト観測)により、巨大惑星や惑星の誕生場である原始惑星系円盤の多様な姿を明らかにしつつあります。
同時に、海外の研究者たちと協力して、国内外の望遠鏡に搭載した複数の多色測光装置 MuSCATによる系外惑星のトランジット観測と大気組成の研究、そして、チリのアタカマ砂漠にあるALMA望遠鏡を駆使した円盤構造の詳細観測にも取り組んでいます。

アストロバイオロジー装置開発室

アストロバイオロジー装置開発室は、すばる望遠鏡に導入されている最新鋭の観測装置、SCExAO(太陽系外惑星の直接撮像や原始惑星系円盤の詳細観測を可能にする超補償光学装置)や IRD(M型星周りの地球型惑星の発見を目指した近赤外線分光器)の研究開発およびその保守や運用を行ない、国内外の研究者による太陽系外惑星研究をサポートしています。
さらに、地球型惑星の直接・間接観測およびバイオシグニチャー(生命の兆候)の検出を目指して、次世代の 30m級望遠鏡(TMT等)や将来の宇宙望遠鏡計画(WFIRST等)に向けた装置開発にも取り組んでいます。このような研究開発を通して、私たち人類は宇宙で特別な存在なのか、地球以外に生命を育む惑星は存在するのか、という根源的な問いに迫るための「アストロバイオロジー装置」の開発を推進しています。

宇宙生命探査プロジェクト室

宇宙生命探査プロジェクト室は、宇宙における生命の起源解明の第一歩として、星間空間での電波観測によって、生命の材料物質であるアミノ酸の探査を行なっています。さらに、太陽系外惑星での生命の存在の証拠を科学的に実証するために、観測可能なバイオシグニチャーの特定を目指しています。太陽系外惑星では、太陽型星に限らず赤色矮星など太陽と大きく異なる環境にある地球型惑星が生存可能領域にも観測されるので、太陽とは異なる光環境(可視光ではなく、近赤外線が卓越した低温度星周りの惑星)に注目し、光合成により発生する酸素やレッドエッジ(光合成を担う集光性色素の反射光特性)などのバイオシグニチャーとしての可能性について研究しています。また、太陽系内の惑星や衛星における生命の可能性に関わる基礎研究も進めています。宇宙における生命の誕生と進化の謎を明らかにすべく、地球生物を対象とした生物学(分子生物学、生理学、生態学、数理生物学)の宇宙生物学への応用と進展を目指しています。

年次報告