自然科学研究機構

アストロバイオロジーセンター

2019年5月15日

すばる望遠鏡の新しい系外惑星「撮像」装置:円盤に埋もれた若い惑星を探せ

SCExAO/CHARIS チーム (国立天文台 ハワイ観測所)
Tayne Currie (NASAエイムズ研究センター / 国立天文台)
Olivier Guyon (アリゾナ大 / 国立天文台 / ABC)
田村元秀*(東京大学大学院理学系研究科天文学専攻 / ABC)
(*)国内でのコンタクト先

発表内容

太陽系にはないタイプの惑星が太陽系の外では数多く見つかっている。恒星のごく近くを周回する惑星、逆に恒星から遠く離れた軌道にある惑星などだ。このような惑星の起源を調べるためには、生まれたばかりの若い惑星を探すことが重要である。惑星は恒星のまわりのガスとちりが集まった円盤の中で形成される。しかし、若い惑星は円盤中に埋もれていて観測は極めて難しく、発見された若い惑星はまだ数例しかない。

すばる望遠鏡の最新装置は、大気揺らぎを高度に補正し、あたかも口径8mのすばる望遠鏡を大気の影響のない宇宙に置いたような観測を実現することができる。このシャープな撮像手法によって円盤と惑星の光をより精密に切り分けることができるようになった。

その結果、2012-2015年にかけて最初に発見が報告された、若い恒星LkCa15から遠く離れた軌道を周回する複数の巨大惑星は、実は惑星ではなく円盤の一部を見ていたことが判明した。目指している惑星はもっと軽いもので、現状では未発見であると結論づけられる。そのため、LkCa15の惑星系は若い太陽系の姿と大きくは変わらないかもしれない。


SCExAO/CHARISで捉えた若い太陽型の恒星 LkCa 15の画像およびモデル画像。
Credit: 国立天文台/SCExAOチーム

アストロバイオロジーセンターは、この最新装置を始めとする系外惑星観測装置(SCExAO/CHARIS/IRD/MuSCAT)の開発・保守・運用とそれらを用いた科学的成果の輩出に貢献しています。

本研究成果は、米国の天体物理学誌である「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に受理されました。

詳細はこちら(すばる望遠鏡HP)

論文情報

掲載誌: Astrophysical Journal Letters

タイトル: "NO CLEAR, DIRECT EVIDENCE FOR MULTIPLE PROTOPLANETS ORBITING LKCA 15: LKCA 15 bcd ARE LIKELY INNER DISK SIGNALS"

著者: Currie et al.,

論文詳細: Astro-ph アーカイブ



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